【津波の怖さ】高さと死亡率の関係 津波の速度 対策

 

津波(つなみ)は、主に地震や火山活動に起因する海底地形の急変により、海洋に生じる大規模な波の伝播現象である。強風により発生する高波、気圧の低下などで起こされる高潮などとは異なる。

1波1波の間隔である波長が非常に長く、波高が巨大になりやすいことが特徴である。地震による津波では波長600km、波高5m超のものが生じた事がある。津波という現象は、例えるならば大量の海水の塊の運動であり、大きな津波は陸地に浸入し、種々の災害を発生させる。

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津波の高さと死亡率の関係

津波 浸水と死亡率
www.tokyo-np.co.jp/feature/tohokujisin/trough/list/120830-6.html

浸水(高さ) 計算上の死亡率  
100cm 100% 到底立てない死亡する確率が高い車が流される。漂流物にぶつかる。
70cm 71.1% ひざを越え水の力が強くなる。健康な成人も流される
50cm 4.8% 車やコンテナが浮き出す。何かにしがみついていれば立てる。50cm(ひざくらい)を超えてくると成人でも流されてしまう。
30cm 0.01% 健康な成人なら何とか立てる。歩行は難しい。高齢者やけが人は流される可能性がある

津波1メートルでもほぼ死亡 – 内閣府分析

津波高が10メートル、20メートルという数字が並ぶと、数メートル程度は「大したことない」ように感じてくるが、実際は1メートルの津波に巻き込まれれば、ほぼ死亡する。

内閣府は東日本大震災の被害実態などから、陸地に浸水した津波の高さに応じた死亡率を分析。浸水70センチで71.1%、1メートルで100%に達した。台風や大雨の浸水と違い、津波は横から押し寄せるエネルギーが強いため、身動きが取れなくなるためだ。

津波に詳しい名古屋大大学院工学研究科の川崎浩司准教授は「浸水が膝を超えるあたりで死亡の危険性は大きく高まる」と説明。1メートル以上では、健康な成人が物につかまっても流されてしまう。漂流物にぶつかり死亡する恐れも大きい。膝より低い30センチでも、高齢者やけが人は流される可能性がある。

川崎准教授は「子どもは体が小さい分だけ、もっとも低い浸水でも危険。内閣府の推計は妥当な線と思う」と話している。

出典 東京新聞 2012年08月30日
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/tohokujisin/trough/list/120830-6.html

30cmの津波でも危険なのはなぜか? 波浪(なみ)との違い

違い
津波:海底から海面までの海水全体が押し寄せる。
波浪:海面付近の海水だけが押し寄せる。

津波は海底から海面までの海水全体が動くエネルギーの大きな波であり、風が吹くことによって海面付近の海水が動く現象である「波浪」と大きくことなります。津波が高くなってくると、それにつれて海水全体の動きも大きくなり、高さ20~30cm程度の津波も人は速い流れに巻き込まれてしまうおそれがあり大変危険です。

※波浪(はろう):水面の高低運動。波 。
※高波/高浪(たかなみ):高い波。おおなみ。

海域で吹いている風によって生じる波浪は海面付近の現象で、波長(波の山から山、または谷から谷の長さ)は数メートル~数百メートル程度です。一方津波は、海底から海面までの海水全体が短時間に変動し、それが周囲に波として広がって行く現象で、波長は数キロから数百キロメートルと非常に長いものです。このため津波は勢いが衰えずに連続して押し寄せ、沿岸での津波の高さ以上の標高まで駆け上がります。しかも、浅い海岸付近に来ると波の高さが急激に高くなる特徴があります。また、津波が引く場合も強い力で長時間にわたり引き続けるため、破壊した家屋などの漂流物を一気に海中に引き込みます。

出典 気象庁
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq26.html

tsunami
twitter.com/_KE_N_/status/295134747603107840

津波注意報などで『1mの津波』っていうのはこういうことらしいです。画像のように「海面が1m盛り上がったまま押し寄せてくる。」ということらしいです。1mだからといってナメないようにしましょう。このツイートで一つでも命が救えればいいです。 pic.twitter.com/wqHsFcoU

— 健介/健。@ゴーストルール (@_KE_N_) January 26, 2013

ひざくらいの高さ(50cm)の津波の力

津波の死因

津波の死因

  • 水死・溺死 (空気の通り道である気道内に水が入り、気道がふさがれて窒息死する)
  • 津波に流されている中で物に衝突して死亡する。
  • 凍死・低体温症により死亡する。

※岩手・宮城・福島の2011年3月の月平均海面水温は、3~6度。
出典 気象庁 https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/db/kaikyo/monthly/sst_HQ.html

「津波の水は『水』だけではない」より抜粋

津波が襲ってきたとき、救命胴衣をつけていたら助かるのでは?と考える人がいる。さて、どうだろう。(中略)過去の津波災害で報告された検死結果では、予想と異なり、溺死よりも打撲などによる死亡が多いとされている。(中略)津波は水だけではなく、種々雑多の巨大な固形物を含んでおり、津波に巻き込まれるとそれらの固形物が身体に衝突するため、救命胴衣を付けていても死から免れる可能性はきわめて低い。

出典 津波の水は『水』だけではない
http://www.bandoheart.jp/aiironokaze/035/03.html

東日本大震災の死者、ほぼ津波が原因 内訳と死因

東日本大震災は、2011年(平成23年)3月11日(金)に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波、およびその後の余震により引き起こされた大規模地震災害。この地震によって福島第一原子力発電所事故が起こった。

東日本大震災の犠牲者 死者の内訳と死因

警察庁は2012年3月11日までに、岩手県・宮城県・福島県で検視された15,786人の詳細を発表した。この震災での犠牲者の死因のほとんどが、津波に巻き込まれたことによる水死であった。

年齢
死者15,786人のうち64%が60歳以上

死因
水死:90.64%(14,308体)
圧死・損傷死・その他:4.23%(667体)
焼死:0.92%(145体)
不詳:4.22%(666体)

出典 http://ja.wikipedia.org/wiki/東日本大震災

医師の見解

東日本大震災の津波による溺死者、別の理由で亡くなった可能性も

内ヶ崎西作医師 (日本大学医学部 法医学分野)
「流されている中でがれきと衝突して、傷を負ったような遺体もあったと思うし、壊れた車で挟まれてケガをしたんだろうという遺体もありました。津波によって溺れたといっても、その中には、いろいろな亡くなり方があるということが、もしかすると、津波による溺死の特徴、その怖さということかもしれません。」

岩瀬博太郎医師 (千葉大学医学部 法医学教室)
「溺死と診断してしまったが、凍死・低体温症による死亡は多くあった気がする。
ただ『低体温症』と診断するのも、解剖して血液の検査をしないといけないが、それもできないわけですから、亡くなった方に申し訳ない。」

出典 NHK ニュースウオッチ9 2018.3.6放送
知られざる“津波の死” 語り始めた法医学者たち
https://www9.nhk.or.jp/nw9/digest/2018/03/0306.html

津波のスピード

津波のスピード

「津波は、水深がふかいところほど、スピードがはやく、水深5,000mのところでは、時速800kmもあります。これは、ジェット機とおなじくらいのスピードです。陸地に近づいてくるとスピードはおちますが、それでも、オリンピックの100mの選手とおなじくらいのスピードがあります津波にきづいてからにげはじめても、すぐに津波にのみこまれてしまいます。

出典 気仙沼「津波」フィールドミュージアム
http://www.tsunami-museum.com/about_tsunami/at_003

「水深が10m程度であれば時速約40kmと自動車なみの速さで進みます。このため、津波を見てからでは、例えオリンピック選手でも逃げることはできませんので注意して下さい。」

出典 四国地方整備局
http://www.skr.mlit.go.jp/bosai/bosai/tounannkai/kisochishiki/tunamikankei/dorekurai/dorekurai.html

津波警報と津波注意報の違い、警報が出たときに取るべき行動

気象庁は、地震が発生してから約3分を目標に、津波注意報、津波警報を発表しています。

20cm~1mの津波が見込まれる時に「津波注意報」、1~3mの津波が見込まれる時に「津波警報」、3mを超える津波が見込まれる時に「大津波警報」が発表されます。

  見込まれる津波の高さ 取るべき行動
大津波警報 3m~

沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難する。より高い場所を目指す。

※震源が陸地に近いと津波警報が津波の襲来に間に合わないことがあります。強い揺れや弱くても長い揺れがあったらすぐに避難を開始してください。

津波警報 1~3m
津波注意報 20cm~1m 海には絶対入らず、注意報解除まで海岸から離れる。

出典 気象庁
http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/joho/tsunamiinfo.html

津波に関する疑問

津波の高さとは?

「津波の高さ」とは、津波がない場合の潮位(ちょうい:一定の基準面から測った海面の高さ)から、津波によって海面が上昇したその高さの差を言います。

津波の前には必ず潮が引く(海面が下がる)のか?

それは、間違いです。地震の発生の仕方によっては、いきなり大きな波が押し寄せることもあります。平成15年(2003年)十勝沖地震による津波や、2004年のスマトラ沖地震の際にスリランカやインドの沿岸に押し寄せた津波では、直前に潮が引くことなく大きな波が押し寄せました。

出典 気象庁
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq26.html

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