アマゾンを装って、個人情報やクレジットカード情報をだまし取ろうとする「フィッシングメール」と、金銭やアマゾンギフト券をだまし取ろうとする架空請求詐欺についてのまとめです。
Amazonになりすました偽メール、フィッシングメール
内容
アマゾンのアカウント情報の確認に応じないとアカウントが削除されるという内容のメールが届き、アマゾンそっくりのサインイン画面に誘導して、メール、パスワード、住所、クレジットカード情報を入力するように要求してくる。
フィッシング、フィッシングメール、フィッシング詐欺:
フィッシング (Phishing) とは、金融機関 (銀行やクレジットカード会社) などを装ったEメールを送り、住所、氏名、銀行口座番号、クレジットカード番号などの個人情報を盗み取ろうとする行為です。利用者のクレジットカード番号や金融機関の口座番号といった個人情報を盗むために、本物そっくりに作られた偽ホームページ (フィッシングサイト) に誘導しようとするメールをフィッシングメールといいます。また、このような詐欺そのものをフィッシング詐欺といいます。
偽メールの例
【件名】お支払い情報を更新する必要があります。
親愛なるお客様、これはあなたのサービスが現在中断されたという通知です。このサスペンションの詳細は次のとおりです。
停止理由:アカウントに確認が必要
今すぐ確認する:(短縮URLのリンク)
重要:
7日以内にサービスを更新しないと、サービスは永久に削除されます。すべてのアカウントは、データの機密性を確保するために完全に消去されます。その後、データを回復することはできません。Amazon JP
偽メールが届いた人の書き込み
慶善@kei_pwq
登録してないアドレスにAmazonからメール来てたから何?って思ったらこんな偽メールだった。かなり巧妙に作られててサイトもほとんど見分けつかないから皆ほんとに注意してほしい。間違ってもパスワードやクレカは入力しないように!
詐欺EメールやSMSによくある事例や内容
- 注文していない商品の注文確認
- Amazon.co.jp に登録しているアカウント(名前、パスワード、その他個人情報)の確認
- お支払い情報の更新依頼
- Amazon.co.jpのWebサイトではないサイトへのリンク
- 添付ファイルやソフトウェアのインストールを求める内容
偽メール対策
- メールの中のURLを安易にクリックしないようにする。特に短縮URL(短縮URLの例 https://goo.gl/abcDEf)。
- メールを送ってきた相手のEメールがアマゾンのものであるかを確認する。
- パスワードやクレジットカード情報の入力を求められたときは必ず、公式サイトのURL(アドレス)かどうかを確認する。AmazonのURLの場合は「http://××.amazon.co.jp」または「https://××.amazon.co.jp」であるかどうかを確認する。※httpsとhttpの違いは、通信内容が暗号化されているかいないかの違いです。httpsは暗号化されています。
- 本物か偽物かどちらか判断がつかない場合は、amazonのカスタマーサービスに問い合わせる。
Amazon.co.jpが使用しているEメール
amazon.co.jp
amazon.jp
amazon.com
amazonbusiness.jp
email.amazon.com
marketplace.amazon.co.jp
m.marketplace.amazon.co.jp
gc.email.amazon.co.jp
gc.amazon.co.jp
payments.amazon.co.jp
出典 Amazon.co.jp
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201304810
パスワードやクレジットカード情報を入力してしまった場合
- パスワードを入力してしまったらパスワードを変更する。
- Amazonにクレジットカード情報を登録している場合は削除する。
- クレジットカード情報を入力してしまった場合は、カード会社へ連絡をする。
架空請求詐欺 (Eメール、SMS、電話、はがき等) アマゾンギフト券詐欺
内容
Eメール、SMS、電話、はがき等で商品代金や有料動画の未納料金の支払いを求めてくる架空請求詐欺。
「アマゾンをかたる架空請求詐欺の被害が、全国で相次いでいる。消費者庁によると、通販大手アマゾンをかたり、未納料金の支払を求めるショートメッセージに記載の電話番号にかけると、ギフト券などの購入を求められる手口の詐欺被害が相次いでいるという。相談件数は、この半年でおよそ2万2,000件、被害額は1億6,500万円にものぼるということで、消費者庁は注意を呼びかけている。」
「2017年11月~2018年5月に全国の消費生活センターなどに相談が、40~70代を中心に2万2197件寄せられた。うち既に支払った被害者は579人。最高額は50代の女性が支払った440万円。」
出典 日本経済新聞、FNNPRIME 2018年6月
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32462110Q8A630C1CR0000/ https://www.fnn.jp/posts/00395281CX
岐阜県警下呂署は29日、インターネット通販大手「アマゾン」をかたるニセ電話詐欺で、下呂市(げろし)の40代女性パート従業員が95万円分の電子マネーをだまし取られる被害に遭った、と発表した。署によると、女性は25日、アマゾンを装った料金未納に関する請求メールを携帯電話に受け、メールの連絡先に電話したところ、男から電子マネーでの支払いを指示され、下呂市内のコンビニで15万円分の電子マネーを購入し、識別番号を伝えた。27日にも男から未納料金に関する電話があり、同市内のコンビニ3店舗で計80万円分の電子マネーを購入し、識別番号を伝えた。
出典 岐阜新聞 2018.6.30
https://www.gifu-np.co.jp/news/20180630/20180630-53739.html
SMS(ショートメッセージサービス)の事例
概要
通販会社アマゾンをかたり、未納料金の支払を求めるショートメッセージが送られてくる。記載の電話番号にかけると、ギフト券などの購入を求められる。
消費者の携帯電話に「有料動画の未納料金があります。本日中にご連絡無き場合は、法的手続きに移行致します。アマゾン○○」、「会員登録料が未払いです。本日ご連絡無き場合、少額訴訟の手続きに移行致します。アマゾン○○」などと記載したSMS(※ショー
トメッセージサービス:メールアドレスではなく携帯電話番号を宛先にして送受信するメッセージサービス)を送信するとともに、SMSに記載された電話番号に連絡してきた消費者に対し、「支払わないと訴訟になります。」、「今日中に支払えば、後から返金されます。」などと告げ、執ように有料動画等の未納料金の名目で金銭を支払わせようとする事業者に関する相談が、各地の消費生活センター等に寄せられています。
出典 消費者庁 2018年6月
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/pdf/consumer_policy_information_180629_0001.pdf
詳細 (出典 消費者庁)
(1) アマゾンをかたる事業者は消費者に架空請求SMSを送信します。
アマゾンをかたる事業者は、「有料動画の未納料金が発生しております。本日中にご連絡無き場合、法的手続きに移行致します。アマゾン○○。」などと記載したSMSを消費者の携帯電話に送信してきます。
(2) SMSを見て不安を覚えた消費者は、SMS記載の電話番号に電話をします。
消費者は、アマゾンの配信する動画を閲覧した覚えはないものの、他のサイトの動画を閲覧したことと何らかの関係があるのかもしれないと思うなどして、確認のためSMS記載の電話番号に電話をします。
(3) アマゾンをかたる事業者は、電話をしてきた消費者に対し、偽りの説明をします。
有料動画サイトの未納料金があるなどと偽ります。
アマゾンをかたる事業者は、消費者に対し、氏名及び生年月日等を尋ねて、調べてみると言いながら電話を切らせず、しばらく待たせた後、「お客様は○○という動画サイトを利用しており、料金未納の悪質な利用者だとみなされて請求が上がっています。」
「あなたは○○という動画サイトを利用しており、1年間未納状態で○○万円の滞納金が発生しています。」などと告げ、実際には存在しない未納料金の支払を求めます。
消費者の不安感をあおるなどして、その日のうちにお金を支払うよう求めます。
アマゾンをかたる事業者は、消費者に対し、「本日中に支払わなければ民事裁判へ移行します。」「今支払って頂かないともっと代金がかさんでいきますよ。」「本日中に支払わなければ、裁判費用に加え、自宅や職場への請求連絡を行い、ブラックリストに載せ、預金や財産の差押えをさせていただきます。」などと告げて不安をあおり、その日のうちに支払うよう執ように求めます。
支払に素直に応じない消費者に対しては、一旦お金を支払えば、後で返金されると欺きます。
消費者が、動画を閲覧した記憶はないなどとして、支払に素直に応じなかった場合、アマゾンをかたる事業者は、消費者に対し、「お客様に使用履歴がないことを立証できると思うので、一旦○○万円を支払えば、後で返金されます。ただし、〇千円の手数料はいただきます。」「誤動作でつながっています。こういうことが他でもありますから、プロバイダーの保険があります。保険に入ってもらえればお金が戻ってきます。事務手続を行いますので、お金を下ろして支払ってください。」などと告げ、支払をするよう促します。
(4) アマゾンをかたる事業者は、消費者に対し、Amazonギフト券(「Amazon ギフトカード」ともいいます。)をコンビニで購入し、その番号を電話で連絡するよう指示します。
アマゾンをかたる事業者は、お金を支払うことを承諾した消費者に対し、支払手段として、多くの場合、アマゾンの通販サイト(Amazon.co.jp)で使用できる Amazonギフト券を○○万円分コンビ二エンスストア等で購入して、その番号をアマゾンをかたる事業者に伝えるように指示します(なお、Amazon ギフト券以外の大手通販会社のギフト券を指定された消費者もいます。)。その際アマゾンをかたる事業者は、消費者に対し、「ギフト券購入の際、5万円のギフト券〇枚分を全て別々の場所で購入してください。」「最近詐欺が多いので、コンビニ店員が詐欺ではないですか、と聞いてくると思うので、詐欺ではないと答えてください。」「ギフト券購入の際、店員に購入理由を聞かれる場合もありますが、黙って購入するようにしてください。」などと告げます。
消費者は、複数のコンビニエンスストアでギフト券を購入し、その番号をアマゾンをかたる事業者に伝えてしまいます。
なお、アマゾンをかたる事業者は、ギフト券番号を伝えるまでの間、「電話を切られると自分達の手の届かない案件になってしまう。」、「この連絡を切られると本日中の返済処理に間に合わない。」などと述べて、一度も電話を切らせないように巧みに誘導する場合が多く見受けられます。困惑した消費者に考える時間を与えたり、公的機関に電話で通報されたりしないようにしているものと考えられます。また、アマゾンをかたる事業者は、ギフト券を購入し、その番号を伝えた消費者に対して、ギフト券をそのままゴミ箱に捨てるように指示する事例もあります。アマゾンをかたる事業者がそのような指示をするのは、だまされたことに気付いた消費者がアマゾンに連絡するなどしてギフト券の使用を停止したりするのを防ぐ目的や、ギフト券の使用者を特定されにくくしたりするためではないかと考えられます。
出典 消費者庁 2017年11月
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/pdf/consumer_policy_information_171114_0001.pdf
対策
- Eメール、SMS、電話、はがき等で商品代金や有料動画の未納料金の支払いを求められた場合、詐欺のパターンに当てはまったら無視する。電話を掛けない。
- 詐欺かどうか見分けがつかない場合は、amazonのカスタマーサービスに問い合わせる。