目次
テレビアニメ・OVAの制作費
TVアニメ 1980-90年代半ば: 700万~800万円
TVアニメ 2000年代: 1000万~1300万円
TVアニメ 2010年代: 1150万~1500万円
OVA 2000年代: 2000万~3000万円
テレビアニメの制作費については、1980~90年代半ばまで1話当たり700万~800万円という相場が長らく続いていたが、90年代後半からアニメ関連ビジネスが成長してきたため、現在では1000万~1300万円程度の水準となっている。OVA(オリジナルビデオアニメーション、テレビ放映や劇場公開を前提としない、メディア販売のみの作品)の相場は2000万~3000万円。
出典 日経ビジネス 2007年2月2日
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070129/117879/
藤津亮太(アニメーション評論家)
「現在の30分テレビアニメの制作費は、1話当たり1300万から1500万円ほどかかるといわれている。1クール(全13話)のシリーズなら総制作費は2億円弱かかる計算になる。」
出典 週プレニュース 2013.6.29
http://wpb.shueisha.co.jp/2013/06/29/20045/
高松信司(『銀魂』『スクールランブル』などのアニメーション監督)
「1クールのアニメを作るのに、ざっくり1億5千万から2億くらいかかるので、それを円盤の利益だけで埋めようというのは、けっこう無茶なビジネスモデルですが、今の深夜アニメはほとんどこの形態ですね。」
1150万円(1.5億円÷13)~1500万円(2億円÷13)
1クールのアニメを作るのに、ざっくり1億5千万から2億くらいかかるので、それを円盤の利益だけで埋めようというのは、けっこう無茶なビジネスモデルですが、今の深夜アニメはほとんどこの形態ですね。
— 高松信司 (@takama2_shinji) April 7, 2015
出典 高松信司Twitter 2015年4月7日
https://twitter.com/takama2_shinji/status/585424044868018179
日本 テレビアニメ&OVA 1話当たりの制作費
テレビアニメ
1962年 鉄腕アトム 210万円
1963年 鉄人28号 120万円
1965年 スーパージェッター 230万円
1967年 スカイヤーズ5 550万円
1968年 サスケ 600万円
1982年 マクロス 550万円
1987年 赤い光弾ジリオン 580万円
1989年 ドラゴンボールZ 1200万円 放送後期
1995年 エヴァンゲリオン 625万円 1ヵ月約2500万円÷4
1996年 エスカフローネ 3000万円
1998年 カウボーイ・ビバップ 2000万円
1999年 ワンピース 1000万-1100万 放送初期
2000年 ゾイド 900万円
2001年 シスタープリンセス 550万円
2001年 ミヨリの森 2.1億円 107分TVSP
2002年 ガンスリンガーガール 1300万円
2002年 ガンダムSEED 2500万円
2002年 攻殻機動隊 S.A.C. 3000万円
2003年 カレイドスター 1800万円
2003年 鉄腕アトム 3000万円
2003年 鋼の錬金術師 1300万-1500万円
2004年 SEED DESTINY 3300万円
2004年 SAMURAI 7 3200万円 全26話で7億円
2004年 レジェンズ 1456万円 (7億2800万円÷50話)
2004年 バジリスク 1416万円 3億4千万÷24話
2005年 ガン×ソード 1144万円
2006年 攻殻機動隊 S.A.C.SSS 3.6億円 105分 5本分
2007年 バンブーブレード 955万円
OVA
1985年 夢次元ハンターファンドラ 8千万円
1985年 吸血鬼ハンターD 1億2千万円
1985年 メガゾーン23 2億円 宣伝費込み
1986年 那由他 1億円
1988年 銀河英雄伝説 1000万円
1989年 トップをねらえ 1300万円(1巻(2話)の制作費2200~2500万円)
1994年 ダーティペアflash 1660万円
2002年 ほしのこえ 200万 売上8億円 ※短編アニメ映画
東映アニメーション 1話・1本あたりの平均制作費
テレビアニメ 1000万~1100万円
OVA 4000万~5000万円
(受注高+受注残高)÷受注本数
テレビアニメ
2000年 25億7287万円÷194=1326万円
2001年 24億426万円÷224=1073万円
2002年 25億4317万円÷233=1091万円
2003年 21億4962万円÷192=1119万円
2004年 25億5500万円÷244=1047万円
OVA(オリジナルビデオ)
2000年 3億8175万円÷8=4771万円
2001年 3億1706万円÷8=3963万円
2002年 4億9276万円÷9=5475万円
2003年 1億4085万円÷3=4695万円
2004年 2億5827万円÷24=1076万円
http://www.toei-anim.co.jp/corporate/ir/ksn_pdf/20010524.pdf
http://www.toei-anim.co.jp/corporate/ir/ksn_pdf/20030522_renketsu.pdf
http://www.toei-anim.co.jp/corporate/ir/ksn_pdf/20050513_renketsu.pdf
海外 テレビアニメ 1話当たりの制作費
1966年 Marvel Superheroes 648万円
1987年 わんぱくダック夢冒険 4350万円 DuckTales
1994年 スパイダーマン 4120万円
1994年 Mega Man 3090万円
1999年 Futurama 1億円
2001年 Invader Zim 1億4400万円
2004年 ザ・シンプソンズ 1億6千万円
2004年 Dragon Booster 5450万円
※ザ・シンプソンズは声優のギャラが高額
1エピソードのギャラの推移
1989年 3万ドル(約340万円)
1998年~2004年 12.5万ドル(約1400万円)
2008年 40万ドル(約4500万円)
2011年 30万ドル(約3400万円)
2008年『ザ・シンプソンズ』声優 出演料4000万円超で合意
40万ドルは6人の中で最も高額のキャストのギャラで、主人公ホーマー役のキャストが手にすると見られる。
2008.6.4 https://animeanime.jp/article/2008/06/04/3240.html
テレビアニメ 制作費の内訳の例1
blog-imgs-46-origin.fc2.com/a/n/i/animeng/cost.png
制作費は総額で1100万円(1話あたり)
原作:5万円
脚本:20万円
演出:50万円
制作進行:200万円
作画監督:25万円
原画:150万円
動画:110万円
仕上げ:120万円
美術・背景:120万円
撮影:70万円
音響制作:120万円
材料:40万円
編集:20万円
プリント:50万円
出典 秀和システム アニメ業界の動向とカラクリがよーくわかる本
制作費内訳の例2
脚本 15万円-20万円
設定 美術・キャラ・メカ・小物 30万円-40万円※一話分?
コンテ 20万円
演出 20万円
原画 3500×300カット=105万円
動画 200×4500枚=90万円
動画検査 20万円
色指定 20万円
仕上げ 180×4500枚=81万円
背景 3000×200枚=60万円
作監 20万円
3DCG 30万円 ※アニメの傾向によって0円-数百万円
制作進行 14万円
撮影 60万円
撮影(線取り込み) 95万円 ※90万-100万円
編集スタジオ代
V編 10万円
編集 10万円
音響製作 125万円 ※100万-150万円
総監督 ?
総作画監督 ?
美術監督 ?
色彩設計 ?
撮影監督 ?
人件費 772.5万円
製作管理(雑費含む) 96.5万円 ※12.5%
計 869万円
制作費内訳の例3
福原慶匡(アニメプロデューサー)
『アニメプロデューサーになろう! アニメ「製作(ビジネス)」の仕組み』(2018年) P.110
作品によって金額はまちまちであるが1話1000万~1500万円の間くらい。
一般的なアニメ1話あたりの予算の例
原作料(1本当たり) 5万円
設定 30万円
脚本 25万円
コンテ 25万円
演出料 50万円
監督 20万円
作画監督料 30万円
制作進行料(制作管理費用) 100万円
原画料(含むレイアウト料) 120万円
動画料 100万円
背景 130万円
仕上げ料 120万円
撮影料 100万円
編集料 25万円
プリント料(含む現像料) 50万円
用紙などの原料、材料 35万円
音響 150万円
制作会社の制作管理費用 167.25万円
合計 12,822,500円
2018.3.22 BUSINESS INSIDER
https://www.businessinsider.jp/post-164211
’80年のテレビアニメ制作費(例)週1回放送 30分作品の場合
出典 アニメージュ90年5月号より
演出料 20万円
絵コンテ料 15万円
脚本料 15万円
制作進行料 20万円
作監料 13万円
原画料 2800円コンテ(1カット)×360カット 100.8万円
動画料 190円(1枚)×5000枚 95万円
動画チェック料 10万円
色指定料 4万円
仕上げ料 210円チェック(1枚)×5250枚 110万円
仕上げ検査料 4万円
背景料 80万円
音響費 声優料、スタジオ費 他. 100万円
撮影料 現像料、フィルム料 他. 50万円
現像費 50万円
編集料 10万円
諸経費 台本印刷料、用紙料 他. 40万円
間接経費 スタジオ等を維持するための経費… 50万円
(家賃、人件費など.
1本あたりの制作費787万円
・このほかオープニング、エンディング、主題歌、BGMの制作費、キャラ設定、メカ設定費などが作品の開始時にかかってくる
・仕上げの枚数が、動画数より多いのは、画面効果のマスクなども描くため
BAMBOO BLADE バンブーブレード制作費(1話分)
構成 4.6万円 ※26話120万円
脚本 20万円
監督 20万円
メインキャラクター 3.8万円※26話100万円
サブキャラクター 10万円
プロップデザイン 10万円
美術設定 10万円
色彩設計 7.7万円※26話200万円
絵コンテ 25万円
演出 25万円
総作画監督 10万円
作画拘束料 20万円
作画監督 40万円
レイアウト 2000×300カット=60万円
原画 2000×300カット=60万円
動画 210×4000枚=84万円
仕上げ 190×4200枚=79.8万円
動画チェック 8万円 ※1人、1ヶ月
色指定 7万円 ※1人、1ヶ月
仕上検査 7万円 ※1人、1ヶ月
特殊効果 0円 ※「撮影」の項を参照
制作進行 30万円※1人、2ヶ月
設定制作 6万円
制作デスク 6万円
CG処理 10万円
背景 105万円
撮影 60万円※線撮、特殊効果込み
線撮予備費 0円 ※「撮影」の項を参照
編集 20万円
音響製作 130万円 ※2次使用込み
ビデオ編集:ラボ 10万円
諸経費 1.5万円
OP・END 20万円
小計 955.4万円
ガンソード制作費(1話分)
構成 3.84万円 ※26話100万円
脚本 20万円
監督 20万円
助監督 10万円
メインキャラクター 4.6万円 ※26話120万円
サブキャラクター 10万円
メインメカニック 3.08万円 ※26話80万円
サブメカニック 5万円
プロップデザイン 5万円
メイン色彩設計 1.15万円 ※26話30万円
サブ色彩設計 7万円
絵コンテ 23万円
演出 23万円
総作画監督 20万円
作画監督・メカエフェクト作監 50万円
レイアウト 2000×340カット=68万円
原画 2500×340カット=85万円
動画 210×5000枚=105万円
仕上げ 210×5000枚=105万円
動画チェック 10万円 ※1人、1ヶ月
色指定 8万円 ※1人、1ヶ月
仕上検査 8万円 ※1人、1ヶ月
特殊効果 200×5000枚=10万円
制作進行 25万円
設定制作 5万円
制作デスク 6万円
CG処理 10万円
背景 90万円 ※美術設定・美術監督料込み(ちゅーりっぷ値段)
撮影 70万円
編集 25万円
音響 130万円 ※2次使用込み
ビデオ編集:ラボ 25万円
タイトル等 3万円
OP・END 15万円
小計 1008.7万円
制作管理費 135.84万円 ※基準は小計の12%、1,210,431?
合計 1144.5万円
粗利益 255.46万円 ※目標額は見積り予算額の20%の28万円(差額 -245,323)
見積り予算額 1400万円
出典 アニメの予算・制作費を語るスレ、他