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今後10~20年の間に消える仕事・残る仕事

 

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マイケル・オズボーンの予測 今後10~20年で自動化される仕事

2013年

英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授の論文「雇用の未来」

http://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf

米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析した結果、今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至った。

機械によって取って代わられる仕事は多岐にわたる。以下は、今後消える・なくなるであろうと予測される仕事。

主な「消える職業」「なくなる仕事」

オズボーンの論文「雇用の未来」より

  • 銀行の融資担当者
  • スポーツの審判
  • 不動産ブローカー
  • レストランの案内係
  • 保険の審査担当者
  • 動物のブリーダー
  • 電話オペレーター
  • 給与・福利厚生担当者
  • レジ係
  • 娯楽施設の案内係、チケットもぎり係
  • カジノのディーラー
  • ネイリスト
  • クレジットカード申込者の承認・調査を行う作業員
  • 集金人
  • パラリーガル、弁護士助手
  • ホテルの受付係
  • 電話販売員
  • 仕立屋(手縫い)
  • 時計修理工
  • 税務申告書代行者
  • 図書館員の補助員
  • データ入力作業員
  • 彫刻師
  • 苦情の処理・調査担当者
  • 薄記、会計、監査の事務員
  • 検査、分類、見本採集、測定を行う作業員
  • 映写技師
  • カメラ、撮影機材の修理工
  • 金融機関のクレジットアナリスト
  • メガネ、コンタクトレンズの技術者
  • 殺虫剤の混合、散布の技術者
  • 義歯制作技術者
  • 測量技術者、地図作成技術者
  • 造園・用地管理の作業員
  • 建設機器のオペレーター
  • 訪問販売員、路上新聞売り、露店商人
  • 塗装工、壁紙張り職人

ビッグデータ

big data
en.wikipedia.org/wiki/Data_analysis

ロボットが完全に人間の知性を手に入れるにはあと少なくとも50年はかかると言われているが、その過程で、多くの仕事が機械の脅威にさらされることがわかってきた。

最近の技術革新の中で注目されているのはビッグデータの活用。今まで利用不可能だった膨大なデータをコンピューターが処理できるようになった結果、より複雑な仕事をルーチンワークとしてこなせるようになりつつある。

ビッグ‐データ(big data)とは?

膨大かつ多様で複雑なデータのこと。スマートフォンを通じて個人が発する情報、コンビニエンスストアの購買情報、カーナビゲーションシステムの走行記録、医療機関の電子カルテなど、日々生成されるデータの集合を指し、単に膨大なだけではなく、非定形でリアルタイムに増加・変化するという特徴を持ち合わせている。このようなデータを扱う新たな手法の開発により、2010年前後から、産業・学術・行政・防災などさまざまな分野で利活用が進み、意思決定や将来予測、事象分析が行われている。 出典「デジタル大辞泉」

ビッグデータの活用例

医療診断

IBM ワトソン

米国のニューヨークメモリアルスローンケタリングがんセンターでは、クイズ番組で人間を相手に勝利したIBMの人工知能型コンピューター「ワトソン」が利用されている。60万件の医療報告書、150万件の患者記録や臨床試験、200万ページ分の医学雑誌、患者の症状・遺伝子・薬歴などをワトソンに分析させることによって、最善の治療計画を作ることに成功している。

法律の分野

裁判前の調査のために数千件の弁論趣意書や判例を精査するコンピューターがすでに活用されていおり、2日間で57万件以上の文書を分析して分類することができる。その結果、弁護士アシスタントや、契約書専門・特許専門の弁護士の仕事は、すでにコンピューターによって行われるようになっている。

センサー技術の進化

監視カメラ
www.flickr.com/photos/zigazou76/

センサー技術が発展すると、これまで人間にしかできないとされていた認知能力を備えた機械がさまざまな分野で活躍できるようになる。

例えば、カタールの首都ドーハやブラジルのサンパウロ、中国の北京などでは、水道のパイプやポンプにセンサーを設置することによって、水道管の水漏れを40~50%削減することに成功している。

オズボーンは「センサー技術がさらに普及すれば、こうした機器の不具合を観察する作業員や、患者の状況を観察する医療スタッフの仕事がいらなくなる可能性も出てくる。また、街頭などにセンサーが張り巡らされることによって、警官の人数も減らせるかもしれない」と指摘している。

こうしたビッグデータによる情報分析、センサーによる認識能力を組み合わせることで、人間並み、もしくはそれ以上の「判断力」を備えたコンピューターも出現し始めている。

米アップルのスマートフォン、コールセンターの業務

米アップルのスマホは、人間が「東京の週末の天気は?」と話しかけると、それを認識し、実際の天気予報を画面上に映し出す。米国では、コールセンター業務を人間に代わって行える音声応答システムも開発されており、これにより従来に比べ60~80%のコストが削減できるようになりつつあるという。 

金融業界

金融業界では、人間よりも迅速に、コンピューターがプレスリリースや決算資料を分析し、それに基づいた投資判断を下すのが日常の風景となっている。ウェブ上に顧客が情報を入力するだけで、コンピューターのファイナンシャル・アドバイザーが顧客それぞれにあった資産運用アドバイスを行うサービスもスタートしている。

株式市場は、「人工知能」によって大きく変貌しようとしている。自ら法則性を見つ出して学習する人工知能技術が開発され、「戦略」面で人間を圧倒。さらに、100万分の1秒単位で大量の株式の発注とキャンセルを繰り返す超高速取引(HFT)が可能になり、スピード面でも人間を凌駕している。

ニューヨークにあるゴールドマン・サックス本社の米国株の取引部門には、最盛期の2000年に600人のトレーダーが在籍し、株を売買していた。現在、この部門にはたった2人しか残っていない。CFO(最高財務責任者)に就任予定のマーティ・チャベス氏は、「2017年現在で本社に残っているトレーダーはわずか2人です。空いた席を埋めているのは、200人のコンピューターエンジニアによって運用されている『自動株取引プログラム』です」と、ハーバード大学の応用計算科学研究所で開催された2017 CSE Symposiumで説明した。
出典 technologyreview.com 2017.2

ロボット

ロボットに仕事を奪われる
i.dailymail.co.uk/i/pix/2007/12_02/asimoUPPA1112_468x418.jpg

オズボーンが「10年以内に産業用ロボットは平均して5万~7.5万ドルほどの値段で買えるようになる」と言っているように、価格下落がさらにロボットの普及をうながし、人間の仕事をさらに奪っていくと予想される。

オズボーンは「サービス業は人とのコミュニケーションが必要であるため機械化は難しいとされてきた。しかし、低価格で多目的なロボットは、製造業だけでなくサービス業でも利用されるようになる。かつてはレストランのウェイターやウェイトレスの仕事は機械に奪われないと言われてきたが、今はタブレット端末で注文できるレストランが増えている。受付業務や秘書業務も同じような流れにある。今後はさらに、調理、医療、清掃、高齢者介護などのサービス産業で、ロボットが複雑な作業を担うことになるでしょう」と話す。

なくならない仕事

ロボットやコンピューターは芸術などのクリエイティブな作業には向いていないため、創造的な仕事はなくならないと言われている。

コンピューターに代替されにくい仕事

オズボーンの論文「雇用の未来」より

  1. レクリエーションセラピスト
  2. 最前線のメカニック、修理工
  3. 緊急事態の管理監督者
  4. メンタルヘルスと薬物利用者サポート
  5. 聴覚医療従事者
  6. 作業療法士
  7. 義肢装具士
  8. ヘルスケアソーシャルワーカー
  9. 口腔外科
  10. 消防監督者 
  11. 栄養士
  12. 施設管理者
  13. 振り付け師
  14. セールスエンジニア(技術営業)
  15. 内科医と外科医
  16. 指導(教育)コーディネーター
  17. 心理学者
  18. 警察と探偵
  19. 歯科医師
  20. 小学校教員

2020年「なくなる仕事」 週刊現代

「週刊現代」2013年7月27日・8月3日号

週刊現代が、経済・産業の専門家にアンケートを実施し、その結果をまとめたもの。

2020年「なくなる仕事」

電車の運転士・車掌、レジ係、通訳、速記・ワープロ入力、プログラマー、新聞配達員、レンタルビデオ、ガソリンスタンド、高速道路の料金徴収業務、仲卸業者、小規模農家、兼業農家、大手電力会社、自然エネルギー関連、参議院議員、専業主婦、日本人の取締役、中間管理職、受付・案内業務、一般事務・秘書、オペレーター・コールセンター、訪問型営業、金型職人、倉庫作業員、工場労働者、コピー・FAX・プリンター関連、証券・不動産ブローカー、ヘッジファンドマネージャー、証券アナリスト・ファイナンシャルプランナー、生保レディ、教員、交番の警察官

なくなる仕事1

なくなる仕事2
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36518

 
未来の予測
  • 工場での単純作業者は高級ロボットや高度な製造装置に置き換わり、無人工場も出てくる。秘書や電話を取り次ぐオペレーターの仕事も、情報機器やクラウドコンピューターが取って代わる。会議、報告書の作成の手配などしかできないホワイトカラーの中間管理職にしても同じこと。人間しかできない新しい発想や価値を生む以外の仕事は、ロボット・機械に奪われる可能性があると考えたほうがいい。 (テクノ・インテグレーション代表の出川通)
  • 100円ショップで手に入るメモリーデバイス(記憶装置)の中に、高校までのすべての科目の詳細な知識が軽く保存できるようになる。簡単な検索でそうした情報が誰でも手に入る時代に、知識と情報だけを伝える教員は不要になる。交番の警察官の仕事も、機械が代替できる。世の中にくまなく監視カメラやセンサー装置が配置され、あらゆる現象がモニター(監視)され、日常的に記録される。犯罪や交通事故などがそのまま捕捉され、記録をもとに犯人や当事者が簡単に特定されるようになる。(ベンチャーキャピタリストの古我知史)

日本人の仕事は外国人に奪われる

ロボットや機械に加えて、日本人の仕事を奪存在として台頭してくるのが、外国人=グローバル人材の存在である。

ニコラデザイン・アンド・テクノロジー代表の水野操氏はこう指摘する。「たとえばシステム開発、アプリ開発などの分野では、開発者たちが顔を合わせることなく受発注が可能になっている。個々のプログラマーが日本にいる必要性がなくなってきている。工業製品の設計においても、専門的な仕事を海外の信用できる技術者にアウトソーシング(外部委託、外注)するのは難しくない」

実際、米国ではすでにこの「アウトソーシング革命」によって、さまざまな職種の人々が失業に追い込まれている。会計・経理部門をまるごとインドの会社に外注するため、部門は解散して社員は全員解雇。PR・広告部門も同じくインドの会社に外注するので、これまで1000万円近くの収入があった米国人部長が次の日から失業者に落ちる。これに似た事例はいくらでも起きている。

日本でもすでに、コールセンター業務が中国などのアジア各国に移転、日本語を話せる優秀で賃金の安い中国人たちが、日本人の仕事を奪いつつある。

キャシー・デビッドソンの予測

2011年

米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソンが2011年8月、ニューヨークタイムズ紙のインタビューで語った予測。

2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう

文部科学省提出資料(2015年2月17日)より 

※2011年に小学校に入学した子供たちが大学を卒業するのは2027年。65%という数字は米国を対象とした予測であり、日本でも同じようになるのかは不明。

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